2010年に「アウトレイジ」1作目が公開され今年で7年目
北野武映画では異例の3部作となった「アウトレイジ」もついに今回の「最終章」でフィナーレを迎えます
ビートたけし演じる「大友」は今作でどんな結末を迎えるのか、ネタバレをしつつ今作の感想をこの記事では紹介させていただきます
前作から5年後の大友
今作では既に韓国に渡った大友と市川が釣りをしているシーンから始まります
このなんとも「まったり」としたシーンが、大友が「ヤクザ」と刑事「片岡」の呪縛から解放されているように感じました
そしてこのシーンが終わり、次のシーンで今回の騒動の原因「花田」との揉め事のシーンへと移っていきます
この些細な揉め事が「大友」を再び「裏切り」や「怒号」が飛び交う世界へと引きずり降ろすことになるとは・・・
しかし、映画冒頭の「大友」と「市川」の会話シーンは「アウトレイジ」とは思えないような、今までにない「まったり」としたシーンで
ラストの結末を考えると、感慨深いシーンでした(。-`ω-)
今作のネタバレ
ここから下は完全にネタバレとなっているので、まだ映画を見ていない方で「ネタバレ」を見たくない方はここから下へはスクロールしないようにしてください
ネタバレ
今回の騒動を引き起こした花田は日本に戻り「若頭補佐:中田」とともに「花菱会」には内緒で張会長へ3000万円を持って謝罪に行くが、同額を上乗せされて門前払いを喰らってしまいます。
この時「張会長」が日本語が分からないと思って、悪態をつく「中田」に張会長が「怒鳴る」シーンは最高でした
2人だけではもはや対処できないと考えた「中田」は「西野」と「野村」に相談をすることに
2人だけで内密に行動したことを「西野」は咎めるが、次は「西野」が「花田」を連れて「張会長」へ謝罪へ行くことに
しかし、このタイミングを逃すまいと「野村」は「西野」を「中田」に始末させようとします
「野村」としては「西野」がチャン会長の下へ謝罪に行った帰りを狙い、チャン会長側が「西野」を始末したように見せる算段でしたが・・・
「中田」は「西野」を裏切りませんでした。
「西野」は「始末」されたと思わせる為、一旦姿を消すことに
「花田」は「野村」の元へメッセンジャーとして「西野」が死んだことを伝えます
「野村」は更に、後々邪魔になる「張会長」を始末しようと、原田泰造演じる「丸山」と部下数名を送り込みますが、ギリギリで「李」が救出したため、あえなく失敗します
このとき津田寛治演じる新キャラ「チェ」が張会長を守り犠牲に
張会長襲撃を知った「大友」はついに日本へ戻るが、いきなりマル暴の「繁田」に連行されてしまいます。
2日間の拘束を経て「張会長」から警察上層部へ圧力がかかり、大友は解放
このときの「繁田」のキレっぷりは今作で一番の迫力がありました(;´∀`)
大友は迎えに来た「李」から忠告を受けるも・・・
市川ら数名を日本へ呼び寄せ、花菱会へ対して報復を開始!
ここから「大友」の暴走が始まります
手始めに「吉岡」を始末
その後、花菱会からの報復があり「大友」と「市川」だけが生き残ります
そして、大友はひそかに「中田」と「西野」に接触して「野村」という共通の敵を始末する為、手を組むことに
西野から「野村」が花菱会組員の出所祝いの会場へ現れるという情報を得た大友は、出所祝いの会場へ
それと同時に「西野」は出所祝いの会場に現れ、自分が生きているという事、野村が自分を始末するように仕向けた事を告白し
「野村」か「自分」のどちらに付くか、会場にいる組員たちに問います
と、その瞬間「大友」と「市川」が会場へ乱入!
西野や中田ら数名は逃げおおせるも、他の大多数の組員はやられてしまいます
そして、大友による会場襲撃の顛末を聞いた「野村」が「中田」に対して激怒している所に、西野が現れ
ついに「野村」は部下全員からも見限られ失脚してしまいます。
「野村」は「大友」の下へと連行され、車道に首から上だけ出された状態で、土に埋められてしまいます。
そして、通りかかった車に轢かれるという最期を迎えます
張会長襲撃の原因「野村」を始末した大友でしたが、まだ大友の暴走は終わりません
今回の騒動の原因「花田」の始末を大友は忘れていませんでした
「西野」が会長となり新体制となった花菱会は、花田を大友に売ってしまいます
そして「花田」は口に爆弾を入れられるという最期を迎えます
木村の事も忘れていない大友
前作で片岡にそそのかされて木村を始末した、山王会の組員が今作では、車の整備工場で働く堅気として出てきます
見た感じ、真面目に働いているようで、ヤクザの世界とは縁切っているように感じましたが・・・
それでも「大友」は彼を許すことは無く、きっちりとケジメをつけてしまいます
その時の「大友」の表情はサングラス越しからでも、何とも言えない虚無感が伝わってきました・・・
大友の最期
市川を済州島に帰した大友は、今回の暴走の件で、張会長にこれ以上迷惑をかけれないという事で、「李」に張会長へ伝言を残し、自決。
最後のシーンは、死んだ大友のカットで映画は終わりを迎えます。
そしてエンドロールでは、済州島に帰った市川が釣りをしながら「大友の帰り」を楽しみに待っているシーンで終わります。
マル暴:繁田はどうなる?
前作「ビヨンド」から登場した「マル暴の繁田」ですが
今作では、登場回数は少ないですが上記でも述べたように、大友が張会長からの圧力により解放された際のキレっぷりは是非劇場で観てもらいたいシーンの一つです!
また、張会長と繋がりがある警察への不信感や、厄介払いとして別の部署に異動させられた不満から、最終的には辞表を出してしまいます。
「アウトレイジ」シリーズでも、唯一「善人といえる」キャラだった「繁田」らしい、退場の仕方だったといえます
山王会のその後
「ビヨンド」で花菱会の勢力下までに堕ちた「山王会」
今作では堕ちるところまで堕ちたという感じで、花菱会にこき使われる存在となっています・・・
また、最後は大友の暴走を利用して、大友に襲撃されたという体で「五味」が「白山」を裏切り始末してしまいます。
その後は描かれていませんでしたが、恐らく「五味」が「会長」に就任したかと思われます。
前作で「布施会長」が言っていた「一度裏切った奴は、なんどでも裏切りよる」という言葉を思い出しました。
まとめ
今作のタイトルが最終章とあるように、これで最後だと思われますが・・・
考えようによっては、まだまだ続きを作れる終わり方ではありました。
しかし「大友」はこれでようやく「アウトレイジ」という地獄から解放され、今度こそ眠りにつくことが出来たのではないでしょうか?
もうさすがに「ビヨンド」の時のように生きていました!なんてオチはないでしょう(^_^;)